ESTPが仕事できないと言われる理由と向いてる仕事を解説

目次

ESTPの性格あるある!社会不適合と言われる理由

ESTP(起業家型)は常に動き回りながら目標を達成することを好む性格です。そのため、ルーティンワークや長期計画を重視する職場においては、周囲から「現場に馴染めない」「協調性に欠ける」といった誤解を受けやすくなります。ここでは、ESTPならではの4つの特徴を紹介し、その結果として「社会不適合」と揶揄される理由を解説します。

躊躇せず行動に移す決断力

ESTPは考えるよりもまず行動に移すことを優先します。計画を練るよりも直感で判断し、即座に動き出す姿勢が特徴的です。このため、じっくり検討してから決めたい周囲の人たちからは「軽率すぎる」「衝動的すぎる」と見られることがあります。しかし、失敗しても素早くリカバリーして次に活かすポジティブな姿勢は、慎重派には理解しづらいものです。

結果を重視する実直な姿勢

ESTPは物事を成果重視で捉え、数値や具体的なデータに基づいて行動します。感覚的な意見や抽象的な議論を避け、本質的に効率的な手段を探すため、抽象的なビジョンよりも「今すぐ成果が見える仕組み」を求めます。その結果、長期的なビジョンを語ることが苦手な面があり、「目先の結果しか見ていない」と捉えられることがあります。

対人関係を牽引する社交性と説得力

ESTPは社交的で誰とでも分け隔てなくコミュニケーションを図り、相手を巻き込んで行動するのが得意です。その際、論理的な説明を交えながら説得力ある話し方をするため、多くの人を惹きつけます。しかし、その一方で感情面への配慮が欠ける場合があり、正論を突きつけるような発言が「冷たい」「無神経」と受け取られることがあります。相手の気持ちを察しないまま率直に意見を述べるスタイルが、誤解を招きやすいのです。

計画よりも即時対応を優先する直感力

ESTPは「まずはやってみる」ことを重視し、仮説を立てるよりも現場で感じたことに即座に対応します。この直感的な問題解決能力は、変化の激しい現場においては強みですが、体系的な計画を好む人たちからは「ちゃんと手順を踏んでいない」「根拠が曖昧すぎる」と思われることがあります。その結果、「現場では役立つかもしれないが、組織の中では浮いている」と感じられることもあるでしょう。

ESTPが「仕事できない」と言われる原因

多くの場面で高いパフォーマンスを発揮できるESTPですが、特定の要素が原因で「仕事ができない」という評価を受けることがあります。ここでは特に多く見られる2つの原因を挙げ、それぞれがどのように見られるのかを解説します。

長期的な計画への不向き

ESTPは短期的な成果を出すことに全力を注ぐため、5年後や10年後といった長期的なゴールを描くことが苦手です。例えば社内で中長期的なプロジェクトを任されると、細かいスケジュール管理や進捗レビューよりもすぐに結果が見えるフェーズに偏りがちになります。そのため、「将来像が曖昧だ」「先を考えずに目先のタスクを優先しすぎる」といった評価を受けることがあります。

規則やルールへの抵抗感

ESTPは自由に動ける環境を好み、細かいルールに縛られるのを嫌います。学校や会社のマニュアルに従うことよりも、自分なりの最適解を突き詰めるためにルールを逸脱することもあります。結果として「組織の方針に従わない」「勝手に判断して動いてしまう」といった印象を与え、周囲からは「協調性がない」「わがまま」と受け止められることもあるのです。

ESTPが直面する仕事の課題

ESTPは高い行動力とコミュニケーション能力を持つ一方で、職場で継続的に成果を出すために克服すべき課題が存在します。ここでは代表的な3つの課題を挙げ、それぞれを乗り越えるためのヒントを交えて解説します。

継続的なタスクへの集中困難

ESTPは新しい刺激や変化を好むため、長期間にわたるルーティン業務や単調なタスクに対して興味を失いやすい傾向があります。その結果、途中でモチベーションが低下してしまい、「最後までやり切れない」「手を抜きがち」と評価されることがあります。この課題を克服するには、小さなマイルストーンを設定し、達成感を細かく積み重ねる仕組みを自分で作ることが効果的です。

衝動的判断による周囲との摩擦

ESTPは瞬時に判断を下し、行動に移すことを強みとしていますが、周囲が理解や準備を整える前に動いてしまうことで、共に働くチームメンバーに混乱を与えることがあります。「急すぎてフォローが追いつかない」「意思決定の根拠が不明瞭」といった指摘を受けることもあるため、重要な決断を下す前には関係者に情報共有し、意見をすり合わせるプロセスを意識的に取り入れると良いでしょう。

感情面への配慮不足

論理的に納得できる説明を好むESTPは、本質的に必要な議論を率直に行いますが、その過程で相手の感情を置き去りにしてしまうことがあります。たとえば、厳しい指摘や改善要望を伝える際に「事実だけを淡々と述べる」スタイルが、相手には冷たく感じられることがあります。この課題を克服するには、相手の状況や気持ちに配慮した言葉遣いを心がけるとともに、前置きとして「まずは感謝の意を伝える」「ポジティブなフィードバックも混ぜる」など、コミュニケーションの工夫を取り入れることが重要です。

ESTPに向いている仕事の特徴

ESTPはその瞬発力や人間関係構築力を活かせる職種で最も能力を発揮します。以下では、ESTPが伸び伸びと活躍できる仕事に共通する3つの特徴を挙げ、それぞれが何を指しているのかを解説します。

即断即決が求められるポジション

ESTPは課題を直感で把握し、迅速に解決策を実行できる能力があります。そのため、短期間で意思決定を迫られるプロジェクトマネジメントや営業最前線など、判断スピードこそが成果を左右するような仕事に向いています。例えば、営業現場で商談のタイミングを見極め、一瞬のチャンスを逃さずクロージングする場面では、ESTPの即断力が大きな強みとなります。

対人関係を活かすコミュニケーション重視の役割

誰とでもフランクにコミュニケーションをとることができるESTPは、広報やカスタマーサービス、イベントの企画・運営など、人と直接接して成果を出す仕事が得意です。相手のニーズを的確に把握し、わかりやすく伝える力を発揮できるため、クライアントや顧客との交渉、チームメンバーの調整などにも適しています。

成果が明確に可視化される環境

ESTPは数値や結果をもとに行動することを好むため、KPIや目標数値がはっきり示される仕事でパフォーマンスを最大化できます。たとえば、売上目標が設定された営業職や広告プランナー、短期で成果を測定できるマーケティング施策など、具体的な「結果」がすぐにわかる業務領域でこそ、ESTPは自らの長所を存分に活かすことができます。

ESTPに向いていない仕事

一方で、ESTPが本来の力を発揮しにくい仕事も存在します。ここでは特に代表的な3つの職種を挙げ、それぞれがなぜESTP向きでないのかを説明します。

事務職

日々同じルーティン作業を繰り返す事務職では、瞬発力や即時判断の機会が少なく、ESTPは飽きやすい傾向があります。細かい書類チェックやデータ入力が中心となり、成果が数値化されづらい業務構造が「やりがいを感じにくい」「継続が苦痛」となりやすいため、モチベーション維持が困難になりがちです。

工場作業員

ライン作業など、マニュアル通りに同じ手順を繰り返す作業は、ESTPが最も苦手とする領域です。変化が少ない環境では刺激を感じにくく、瞬間的な判断を活かしにくいため、集中力が途切れやすくなるだけでなく、ミスや効率低下を招く恐れもあります。

会計士

会計士や簿記関連の業務は正確性と細心の注意が求められ、長時間集中してひとつのデータを詳細にチェックし続ける必要があります。ESTPは短期間で成果を感じにくい業務や緻密な分析作業に対してストレスを感じやすく、「じっくり考えなければならない」「ミスが許されない」といったプレッシャーが裏目に出ることがあります。

ESTPに向いてる仕事20選

ここからは、ESTPがその特性を最大限に活かしやすい具体的な職種を20個紹介します。各職種に共通するのは“行動力を発揮できる環境”と“対人コミュニケーションの機会が豊富”という点です。

営業職

顧客との交渉や新規開拓を通じて直接成果を追い求める営業職は、ESTPが能力を発揮しやすい代表的な職種です。即時判断力を活かして商談を進め、数値目標にコミットすることで高いパフォーマンスを出せます。

マーケティング担当

データ分析や広告施策を駆使して、短期間で成果が見えるマーケティング業務では、ESTPの実行力と結果志向が生きます。市場トレンドを素早く察知して柔軟に戦略を変更できる点も強みとなります。

広報担当

社外向けに企業や商品の魅力を発信する広報業務は、人脈を活かして多くのメディアやステークホルダーとやり取りするため、ESTPの社交性と説得力が大いに役立ちます。

カスタマーサービス

お客様と直接コミュニケーションを取りながらサポートを提供するカスタマーサービスでは、ESTPのフレンドリーさや問題解決力が評価されやすいです。クレーム対応や要望ヒアリングを柔軟にこなせます。

ディレクター職

プロジェクト全体を指揮し、メンバーをまとめるディレクター職では、ESTPのリーダーシップと的確なコミュニケーションが成果を左右します。変化の激しい状況でも冷静に指示を出せる能力が喜ばれます。

起業家

自らビジネスを立ち上げる起業家は、ESTPのチャレンジ精神と行動力を最大限に活かせる環境です。リスクを恐れずに新しいアイデアを市場に投入し、成果を次々に生み出していくことができます。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトを推進するマネージャーは、タスクの洗い出しからスケジュール管理、チームのモチベーション維持まで幅広く対応する必要があります。ESTPは変化に強く臨機応変な対応が得意なため、プロジェクトの舵取り役として活躍できます。

イベントプランナー

イベントの企画・運営業務では、準備から当日の対応まで想定外のトラブルがつきものです。ESTPの即応力と臨場感のあるコミュニケーションが、成功裏にイベントを進めるうえで大いに役立ちます。

セールスマネージャー

営業チームを率いて目標達成を目指すセールスマネージャーは、ESTPのリーダーシップと交渉力が求められます。チームメンバーと積極的にコミュニケーションを取りながら売上を伸ばす役割で実力を発揮できます。

リクルーター

人材採用の現場で活躍するリクルーターは、求職者と企業の双方をつなぐ役割を担います。ESTPの社交性と人の本質を見抜く直感が活かされ、最適なマッチングを実現することができます。

不動産営業

物件の紹介から契約まで一連の流れを迅速に進める不動産営業では、ESTPの行動力と説得力が強みとなります。顧客のニーズを的確に捉え、短期間で契約をまとめることが求められます。

広告プランナー

広告施策の企画立案から効果検証までを担う広告プランナーは、数字を見ながら迅速に方向性を修正する能力が必要です。ESTPの実行力と柔軟性が媒体選定やクリエイティブ提案に生きます。

販売マネージャー

店舗やECサイトでの販売戦略を立案・実行する販売マネージャーは、現場の声をくみ取りながらオペレーションを改善していく必要があります。ESTPの顧客志向と行動力が利益拡大に直結します。

ビジネスコンサルタント

クライアント企業の課題を分析・解決するコンサルタント業務では、多様な業界知識と迅速な仮説検証が求められます。ESTPは現場調査やインタビューを通じて得た情報をもとに、即時に改善策を提案できる点が強みです。

フリーランスセールス

自ら営業先を開拓し、成果に応じて報酬を得るフリーランスセールスでは、ESTPの自発的な行動力と交渉力が武器になります。自分のペースで働きながら成果を追い求められる点が魅力です。

IT営業

ITサービスやソリューションを顧客に提案するIT営業は、技術的な要素も含めた説得が必要です。ESTPの論理的な説明能力とフットワークの軽さが、顧客の信頼を獲得するうえで大きな役割を果たします。

ファッションバイヤー

トレンドを敏感に察知し、仕入れから販売戦略を練るファッションバイヤーは、流行を先取りするセンスと交渉力が必要です。ESTPの直感力とコミュニケーション能力が、バイヤーとしての成果に直結します。

PRコンサルタント

企業やブランドのイメージ向上を支援するPRコンサルタントは、メディアリレーションや危機管理など多岐にわたる業務を担います。ESTPの迅速な判断力と人脈構築力がクライアントの信頼を醸成します。

ソーシャルメディアマネージャー

SNSを活用しながら企業やブランドの認知拡大を図るソーシャルメディアマネージャーは、リアルタイムでの投稿やキャンペーン企画が求められます。ESTPの反応速度とトレンド読み取り力が成果を生み出します。

カスタマーサクセス

顧客に対して継続的に価値提供を行い、満足度を維持・向上させるカスタマーサクセスでは、顧客の声を吸い上げながら迅速な対応を行う必要があります。ESTPの対人対応力と問題解決力が、顧客ロイヤルティ向上に貢献します。

ESTPが職場でうまくやっていくには

ESTPがその強みを活かしながら職場で長期的に成果を出すためには、いくつかの工夫が必要です。ここでは3つの具体的な方法を紹介します。

長期的視点を意識する

短期的な成果を追い求めるだけでなく、5年後・10年後といった長期的な目標を意識することが重要です。たとえば、年間のマイルストーンを設定し、四半期ごとに進捗を振り返る習慣をつけることで、先を見据えた行動が取りやすくなります。また、メンターや上司との定期的な目標確認を通じて、自分のキャリアプランを客観的に検討すると良いでしょう。

ルールやプロセスに適応する工夫をする

ESTPが自由に動き回る一方で、組織には一定のルールやフローが存在します。必要最低限のマニュアル遵守ポイントを押さえたうえで、自分なりに効率的なプロセスを提案することで、周囲との摩擦を減らしながらスピード感を維持できます。たとえば、定期的な進捗報告のフォーマットを簡略化したり、共有頻度を最適化するなど、小さな改善から始めることが成功の鍵です。

コミュニケーション時に感情面に気を配る

論理を重視するESTPは、相手の気持ちを完全に把握しないまま率直に話してしまう傾向があります。重要なフィードバックや指摘を行う際には、まず相手の立場を理解していることを言葉で示し、相手の状況に配慮した表現を心がけるようにしましょう。また、ポジティブな要素を先に伝えたうえで改善点を挙げる「サンドイッチフィードバック」を取り入れると、相手にとって受け入れやすいコミュニケーションが実現できます。

まとめ:ESTPの特性を理解して活躍しよう

ESTP(起業家型)は、その行動力や瞬発的な判断力、対人コミュニケーション能力を最大限に発揮できる領域では大きな成果を上げることができます。一方で、長期的な計画の策定や細かいルールの遵守、感情面のフォローといった要素で課題を抱えやすい傾向があります。本記事で紹介したように、自分に合った職種を選びつつ、必要な場面ではプロセスを調整し、コミュニケーション時に相手の心情に配慮することで、ESTPとしてさらなる成長を遂げることができるでしょう。

この記事は日本mbti協会を参考に作られています。

参照:https://www.mbti.or.jp/

淵之上 航平
人材紹介事業部 事業部長
20代・第二新卒特化型転職サービス『よりそい転職』の事業責任者。CA歴7年以上。立ち上げメンバーとしてCA・RA両面の支援実績を持ち、スタートアップからメガベンチャー、大手企業まで幅広く担当。現在もトップコンサルタントとして年間数万人規模のキャリア支援に携わり、求職者と企業双方の成長をサポートしている。
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