INFJが仕事できないと言われる理由と向いてる仕事を解説

INFJ(提唱者)は理想主義で情熱的な一方、非常に繊細で他人の感情に敏感な性格です。そのため、周囲からは「社会不適合」と感じられる要素が見られることがあります。

例えば、職場での些細な出来事や人間関係の変化が心の負担となりやすく、自分のペースで仕事が進められないときに強いストレスを感じることがあります。また、INFJは他人の本音を察しようとするあまり自分に問題があると感じやすく、結果的に自己肯定感を失うこともあります。

これらの背景には、INFJ特有の「理想と現実のギャップを感じやすい」という要素があり、社会の常識や一般的なビジネス手法とのズレがストレスの原因になります。さらに、非常に希少なタイプであるため周囲に同じような価値観を持つ人が少なく、孤独を感じやすいという点も「社会不適合」と思われがちな理由のひとつです。

カテゴリ 割合
INFJ全体(日本) 6.79%
INFJ-T(慎重型) 4.97%
INFJ-A(断固型) 1.82%

参照:16personalities

深い感受性が負担になる

INFJは他人の感情を察する能力が高く、周囲のストレスやネガティブな空気を自分のことのように感じ取ります。

人の小さな表情の変化や言葉の裏にある意図までも読み取ってしまい、その結果、自分自身が感情に振り回されることが多くなります。

例えば、ミーティングで同僚が無言で席を立っただけでも「何か不満があるのでは」と深読みしてしまい、実際には何も問題がないケースでも後から気持ちが落ち込むことがあります。

このように感受性が裏目に出ると、社内での人間関係において疲弊しやすくなり、「職場に馴染めない」と感じられやすくなります。また、感情的な出来事に引きずられると業務効率にも影響が出やすく、結果的に周囲から「仕事に集中していない」と評価されることがあります。

こうした繊細さは対人支援の強みになる反面、自分自身を守るための境界線を設けることが難しく、自己犠牲的になりがちです。そのため、定期的に自分をリセットできる環境や、感情面で安全に休息できる時間を確保することが大切です。

慎重すぎて決断に時間がかかる

INFJは失敗を避けるために選択肢を徹底的に検討し、リスクをできる限り排除しようとします。

そのため、会議やプロジェクトで重要な決断を求められた際、慎重に情報を収集しすぎるあまり、判断までに通常よりも時間を要してしまいます。

例えば、クライアントへの提案資料を作成する際、細部の言い回しやデザインの配色まで何度も検討して改善しようとするため、締切ギリギリになってしまうケースがあります。

これが周囲には「なかなか意思決定しない」「仕事が遅い」と受け取られる原因になります。

さらに、INFJはチームメンバーの意見を尊重しすぎる傾向があり、全員が納得する結論を出そうとするあまり、調整に長時間を費やすことがあります。

その結果、会議が何度も長引き、生産性が低下してしまう恐れがあります。解決策としては、あらかじめ意思決定の期限を設定し、細部の調整は後でフォローアップするなど、優先度を明確にして行動することが有効です。また、自分の価値観や優先順位を他者に共有し、適切に合意形成を図ることで、判断のスピードを向上させることができます。

内向的で深く思考に耽る

INFJはアイデアや理想を深く思考する傾向があり、外部の雑多な情報や単純作業には気が散りやすい一面があります。

プロジェクトの設計書や将来ビジョンを緻密に構想するには優れた能力を発揮しますが、長時間のデータ入力や定型的な報告書作成など、反復的で単調な業務では集中力を保つのが難しく、作業効率が低下しやすいです。

例えば、日々の売上データを入力し統計を取る作業などは、INFJにとって大きなストレスとなりやすく、業務が滞りがちになります。このような作業を続けるとモチベーションが著しく低下し、「集中力が続かない」と評価されることがあります。

さらに、深い思考に没頭してしまうと、周囲の進捗や緊急タスクへの対応が後回しになり、チームとのズレが生じることがあります。対策としては、作業をポモドーロ・テクニック(25分作業+5分休憩)のように区切り、短い時間で集中する仕組みを作ることが有効です。

加えて、同僚に定期的に進捗を報告する仕組みを設けることで、自分の思考の世界に閉じこもりすぎないようバランスを取ることができます。

環境変化に敏感で適応に時間がかかる

INFJは変化の大きい状況や新しい職場文化に対して慎重になりがちです。

新しいプロジェクトや人間関係が発生した場合、一度状況を理解・咀嚼するまでに時間を要するため、周囲からは「なかなか馴染まない」「適応力が低い」と映ります。

例えば、急にチームの体制が変更されたり、上司の方針が変わった場合、INFJはまず自分の中で背景や意図を深く理解しようとするため、具体的な行動に移るまでに遅れが生じることがあります。

また、初対面の人や多人数が集まる環境では、表面的な挨拶や初対面の雑談に違和感を感じることが多く、人間関係を構築するまでに他タイプよりも時間がかかります。その結果、「コミュニケーションがギクシャクしている」「職場に馴染んでいない」と思われがちです。

これを防ぐためには、あらかじめ新しい環境やプロジェクトの情報をできる限り集め、予習しておくことで「不慣れ感」を軽減できます。また、上司や同僚との1対1の面談を積極的に設定し、人間関係の土台を少人数から築くことで、徐々に大人数にも慣れていきやすくなります。

目次

INFJが「仕事できない」と言われる原因

感情のセルフコントロールが難しい

INFJは他人の感情を自分のもののように感じ取りやすいため、仕事中のストレスや同僚の些細な言動に引きずられてしまうことがあります。

特にミスをした際に自己否定が強くなったり、批判を過剰に恐れたりして本来の能力を発揮できないことがあります。

例えば、上司からの指摘を「人格否定」と捉えてしまい、落ち込んでしまうケースがあります。このような感情的な反応が繰り返されると、周囲からは「感情で仕事が左右される」と感じられやすくなり、評価が低くなることがあります。

加えて、チームの中でトラブルが発生すると、自分の得意領域ではない人間関係の調整や心理的フォローに時間を割き、本来の業務が後回しになることがあり、「仕事の成果が出せていない」と見られる原因になります。

対策としては、感情が高ぶったときにメモを取り、何がトリガーになったかを客観的に分析する習慣を持つことや、定期的にカウンセリングやコーチングを受けてセルフマネジメントのスキルを学ぶことが有効です。

慎重さが行動にブレーキをかける

リスクを最小限に抑えようとするあまり、選択肢を広く検討しすぎて意思決定が停滞することがあります。

プロジェクトの進行を左右する場面で、INFJの「もっと情報を集めたい」という思考が優先され、結論が先延ばしになってしまうため、周囲からは「判断に時間がかかりすぎる」「決断力に欠ける」と評価されることがあります。

例えば、面接官として複数の候補者を比較検討している際、メリット・デメリットを徹底的に比較検討しすぎて、他の業務にシフトできず、結果的に採用時期が遅れるケースがあります。また、営業先を選定する際にも同様で、あらゆる要素を考慮しすぎて交渉を始めるタイミングを逸してしまい、売上機会を逃すことがあります。

これを防ぐためには、事前に意思決定基準や評価項目を明確に定め、チームと共有しておくことが大切です。定量的な評価指標と期限を設定することで、情報収集を一定の段階で区切り、スムーズに次のフェーズへ進むことが可能になります。

INFJが直面する仕事の課題

集中力の維持が難しい

内向的で理想やビジョンを追求する傾向が強いINFJにとって、ルーチンワークや単純作業は興味を持続しにくい分野です。

特に長時間にわたるデータ入力や定型的なチェック作業では集中力が切れやすく、効率が落ちるため、結果的に「仕事が遅い」という評価を受けやすくなります。

例えば、毎月の帳票作成や報告書作成など、文書を淡々とまとめる作業では、途中で思考が別のアイデアへ飛んでしまい、作業が中断されることが度々あります。また、日々のメール返信など、定型文を扱う業務では、返信内容に過度に気を遣いすぎて時間をかけすぎることがあり、結果的にメール処理が遅れてしまいます。

対策としては、作業をポモドーロ・テクニック(25分作業+5分休憩)のように区切り、短い時間で集中する仕組みを作ることが有効です。さらに、タスクごとに締切を細かく設定し、タイマーを活用して時間を意識しながら作業を進めることで、作業効率を向上させることができます。

環境変化に対する適応の遅さ

新しいプロジェクトや組織の変更があると、INFJはまず状況全体を把握し、自分なりの理解を深めようとします。そのプロセスに時間を要するため、周囲の環境が切り替わるスピードについていけず、「場に馴染むのに時間がかかる」「変化に弱い」と感じられることがあります。

例えば、リモートワークからオフィス勤務へ切り替わった際、通勤ストレスや職場の雑音に慣れるまでに余計なエネルギーを消耗し、業務パフォーマンスが低下してしまうことがあります。また、組織再編などで新しい上司やチームメンバーが加わると、人間関係の構築に時間がかかり、初期のプロジェクトフェーズで成果を出せないことがあります。

これを緩和するためには、変化の前に必要な情報を積極的に集め、心の準備を行うことが効果的です。例えば、新しいメンバーと事前に1対1のミーティングを設定し、相手の価値観や仕事スタイルをヒアリングすることで、初動の不安を軽減できます。また、自分の適応スタイルをチームに共有し、コミュニケーションの取り方を調整することで柔軟に対応できるようになります。

タスクの優先順位と時間管理の難しさ

INFJは複数の興味やアイデアに意識が分散しがちで、結果としてタスクの優先順位がつけづらくなります。締切を守るためのスケジュール管理や、緊急度・重要度の判断が苦手なため、周囲からは「時間管理がずさん」と思われることがあります。

例えば、急ぎの会議資料の準備と自分がもっと時間をかけて調査したいプロジェクトのリサーチが同時に発生すると、どちらを先に行うべきか迷い、結果としてどちらも中途半端になることがあります。また、思い浮かんだアイデアを緊急ではないタスクとして後回しにしてしまい、後から忙しさに追われて消化しきれずにお蔵入りになるケースがあります。

解決策としては、タスクを「緊急度」と「重要度」でマトリクス化し、毎朝または週初にあと何時間使えるかを見積もって計画を立てることが有効です。具体的には「本日の最優先タスク」「次に取りかかるタスク」「時間があればやりたいタスク」の3つに分けてリスト化し、一つずつ完了するたびにチェックを入れる仕組みを作ることで、自分の行動が明確になり時間管理が向上します。

INFJに向いている仕事の特徴

他者支援に喜びを感じる職場

INFJは相手の心に寄り添い、サポートすることで大きな達成感を得ます。カウンセリングや人事、ソーシャルワークなど「人を支える」役割が明確な仕事では、自身の共感力やサポート意欲が存分に発揮されます。

例えば、企業内のメンタルヘルス担当として従業員の悩みを聞き、適切なアドバイスを提供する役割では、INFJの聞き取り能力と共感力が非常に高い評価を受けます。また、学校現場でのスクールカウンセラーや、地域福祉センターでの相談員として、個人や家族の抱える課題に寄り添いながら支援プランを作成することで、成果を実感しやすく、自己肯定感を高めることができます。

深い洞察力を生かせるフィールド

問題の本質を見抜き、物事の核心を理解する能力が高いINFJは、研究職やマーケットリサーチ、企画開発など、先を見通す力が求められる仕事で力を発揮できます。

例えば、市場のトレンドを予測し、顧客ニーズや競合状況を多角的に分析するマーケットリサーチャーでは、表面的な数値だけでなく背景にある消費者心理や社会動向を読み取ることで、より深い洞察を提供できます。

また、企業の新規事業企画担当として、未来のビジョンを描きつつ事業モデルを構築する際にも、INFJの長期的視点と本質追求の姿勢が高く評価されます。研究機関や大学での研究者としては、人間行動や社会構造をテーマに調査を行い、論文やレポートとして発表することで、INFJの探究心や理想追求の姿勢が学術界での成果として結実します。これらの分野では、自らの洞察を深め、世の中に貢献する達成感を得られるため、INFJの内面的な満足度も高まります。

責任感の強さが活きる環境

INFJは責任感が強く、やり遂げる意志を持っています。そのため、NPOや非営利団体でプロジェクトリーダーとして使命感を胸に取り組んだり、教育現場で生徒を指導・支援したりする仕事では、高いモチベーションを保ちながら成果を上げられます。

例えば、地域活性化プロジェクトのリーダーとしてボランティアスタッフをまとめ、資金調達やイベント企画を行う場合、INFJはプロジェクトの全体像を把握しながら各メンバーの役割を的確に割り振り、目標に向かってコミットメントを維持できます。また、専門学校や大学で教員として講義を担当する場合、生徒一人ひとりの学習状況を丁寧に把握し、個別の学習プランを策定するなど、責任感を持って教育に向き合うことで、学生の信頼を得ることができます。これらの環境では、INFJの責任感と自己犠牲的な一面がプラスに働き、組織やコミュニティに貢献できるポジションで活躍できます。

INFJに向いていない仕事

営業ノルマ中心のコールセンター業務

短時間で大量の電話対応や数字を追いかける営業職は、相手の感情に深く関わるINFJにとって精神的な負担が大きくなります。また、迅速なクロージングを求められる環境では、慎重なINFJが本来の強みを発揮しづらく、ストレスを抱えやすくなります。

例えば、毎日のノルマ達成のために感情を抑えて繰り返しクライアントに電話をかけ続ける業務では、その一連のプロセスがINFJにとって苦痛となり、心身のエネルギーが消耗しやすくなります。さらに、成果が数字で明確に表れる環境では、達成できなかったときに自己否定感が強くなり、「自分は価値がない」と感じやすくなるため、メンタルヘルスリスクが高まります。こうした営業環境ではINFJの共感力や洞察力を効果的に活かすのが難しく、長期的に続けることが困難になるケースが多いです。

株式トレーダーやデイトレーダー

瞬時の判断と高速なトレードが求められる金融の世界では、深く考えすぎて意思決定が遅れるINFJでは遅れをとる可能性があります。常に変動する相場に素早く対応する柔軟性とプレッシャー耐性が必須のため、向いていない職種です。

例えば、チャートが急変した局面で「本当に今買うべきか、もっと材料を集めるべきか」と思考が止まり、売買のタイミングを逃してしまうことがあります。また、連続する取引で損失が続くような状況では、自分の判断ミスを深刻に受け止めてしまい、ストレスや不安からパフォーマンスがさらに低下する悪循環に陥るリスクがあります。これに対して、デイトレーダーには短時間で結果を出し続ける精神力が求められ、その緊張感やストレスに耐えられないINFJが多数います。

大量の単純作業を繰り返すデータ入力業務

単調でクリエイティブ要素が少ない作業は、INFJが持つ「本質を見抜く力」や「他者への共感」を活かしづらい環境です。飽きやすく集中力が途切れがちになるため、効率的に業務をこなすことが難しくなります。

例えば、毎日数百件のデータをひたすら入力しなければならない状況では、同じ作業を繰り返すことによって精神的に疲弊し、やりがいを感じられずに途中でミスが増える可能性があります。さらに、データ入力では数値の正確さが求められるため、INFJはその細部に気を取られすぎて時間がかかり、締切に間に合わないことがあります。こうした業務では、ルーチンワークを効率化する自動化スキルやスクリプトを活用するなどの対策が必要ですが、それもまたINFJが得意とする分野ではないため、長期的にはミスマッチが起こりやすいです。

INFJに向いてる仕事20選

1. カウンセラー

クライアントの悩みや心の動きを丁寧に汲み取り、解決に導く仕事です。INFJの共感力と深い洞察力が強みとなり、信頼関係を築きながら相手をサポートできます。初めて来談したクライアントが心を開き、気持ちを整理して帰る瞬間には大きな達成感を得られます。また、ケーススタディを通じてさまざまな人生の背景を学ぶことで、自己成長にもつながります。

2. ソーシャルワーカー

福祉の現場で困難を抱える人々を支援する職種です。社会課題を理解し、必要なサポートを提供するためにINFJの理想主義と忍耐力が活かされます。例えば、住居を失った人々への住まい探しや、児童虐待の可能性がある家庭への介入など、支援の現場では深い共感と冷静な判断が必要です。INFJは相手の声なき声まで汲み取り、最適なサービスを提案することで社会的なインパクトを生み出せます。

3. 人事担当者

採用や研修、社内相談など人に寄り添う活動が中心となる仕事です。社内の雰囲気や個々人の特性を敏感に察知できるINFJならではの視点で組織の活性化を図れます。特に新入社員のオンボーディングやメンタルヘルス研修の企画・運営では、INFJの理解力と調整力が生きてきます。また、従業員エンゲージメント調査を行い、その結果をもとに施策を立案する際にも、INFJは数値の裏にある個々の想いを読み取り、組織改善に寄与できます。

4. NPOスタッフ

社会貢献活動に携わり、ミッション達成のために奔走する仕事です。使命感を持って取り組むINFJは、非営利団体の理念に共鳴しやすく、主体的に動くことができます。例えば、被災地支援のプロジェクトでは、被災者のニーズを的確に把握し、資金調達のためのイベント企画やボランティア調整を行います。INFJは細部まで計画を練り、チームメンバーのモチベーションを維持しながら活動を推進できます。

5. 研究者(社会学・心理学)

人の行動や心の仕組みを探究する分野で、INFJの好奇心や本質追求の姿勢が発揮されます。論文作成やフィールドワークなど、深い思考と忍耐が求められる仕事です。例えば、地域コミュニティの社会的つながりを調査する研究では、現地住民との信頼関係を構築しながらインタビューを実施し、得られたデータをもとに仮説を検証します。INFJは倫理的配慮を怠らず、被験者への配慮を示しつつ客観的な分析を行うことで、高品質な研究を生み出せます。

6. 企画開発担当

新規プロジェクトやサービスの立案・設計を行う仕事です。問題解決力と未来を見通す視点を持つINFJは、独自のアイデアを形にして組織に貢献できます。例えば、顧客のライフスタイル調査を通じて潜在ニーズを抽出し、それに基づく新商品のコンセプト立案を行います。INFJは創造的なビジョンをチームに共有し、プロジェクトマネジメントを通じて具体的な成果につなげる能力があります。

7. 編集者・ライター

記事や書籍の構成を練り、読者へ価値ある情報を届ける仕事です。文章を通じてメッセージを伝える力が求められ、INFJの表現力や洞察力が活かされます。例えば、企業のブランドストーリーを編集する際、背後にある企業理念やインタビュー内容を深掘りし、読者が感情移入できるような構成を考案します。INFJは緻密なリサーチと共感力を組み合わせて、読み手の心を動かすコンテンツを提供できます。

8. 翻訳者・通訳者

言語を媒介して文化や情報を伝える役割を担います。細部まで注意を払いつつ本質を正確に表現するINFJは、高品質な翻訳を提供できます。例えば、ビジネス文書やマーケティング資料の翻訳では、単なる直訳ではなく、ターゲット文化に合わせた意訳が必要です。INFJは言葉の裏にあるニュアンスや文化的背景を理解し、読み手に違和感を与えない表現を追求します。また、国際会議の通訳では、緊張感のある現場でも冷静に情報を整理し、スムーズなコミュニケーションをサポートできます。

9. 教育・研修講師

学習者の成長を支援し、個々のニーズに合わせた指導を行う仕事です。INFJは相手の気持ちに寄り添いながら、人材育成に貢献できます。例えば、新入社員研修では、座学だけでなくワークショップやグループ討論を取り入れ、学習効果を高めるプログラムを作成します。INFJは一人ひとりの理解度を観察しながら、必要に応じてフォローアップを行い、受講者の成長を長期的にサポートします。

10. 臨床心理士

心理的な問題を抱えるクライアントと向き合い、専門的な支援を行う仕事です。高い共感力と観察力を持つINFJは、クライアントの変化にいち早く気づき適切なサポートを提供できます。具体的には、カウンセリングセッションでクライアントの言葉だけでなく表情や声のトーンまで読み取り、言語化されない感情を言語化して共感します。その上で個別の治療プランを立て、心理テストやアセスメントを通して進捗を評価しながら継続的に支援を続けることで、クライアントの心理的回復に貢献します。

11. 教師・講師

生徒一人ひとりの個性を尊重しながら学習を支援する教育の現場。INFJは深い洞察力で生徒の悩みを理解し、学びの意欲を引き出すことが得意です。たとえば、中学校や高校で担任を務める場合、授業計画だけでなく生徒の学習スタイルや家庭環境を把握し、必要に応じて保護者とも連携してサポート体制を構築します。INFJは生徒の心のケアにも配慮しながら指導を行い、「先生のおかげで変われた」と言われることにやりがいを感じます。

12. 非営利団体コンサルタント

NPOやNGOなどの組織運営や資金調達をサポートする仕事です。社会問題に関心を持ち、改善策を提案するINFJは、ミッションドリブンな活動に適しています。例えば、教育支援を行う非営利団体へのコンサルティングでは、現状分析から支援プログラムの効果測定までを総合的にサポートし、効率的かつ持続可能な活動モデルを提案します。INFJは利害関係者の意見を調整しながら、社会的インパクトを最大化する戦略を構築する能力があります。

13. アートディレクター

ビジュアル面での企画立案や演出を行う仕事です。創造力とビジョンを持つINFJは、作品を通じて強いメッセージを発信できます。例えば、企業のブランドキャンペーンで広告ビジュアルを手掛ける場合、ブランドの理念やターゲット層の心理を深く理解し、それを具現化するデザインコンセプトを作成します。INFJはクリエイティブチームをまとめ、ディレクションを行いながら、一貫性のあるメッセージを視覚的に表現することで、高い評価を得ることができます。

14. グラフィックデザイナー

視覚表現を通じて情報を伝える職種です。INFJの繊細な感覚と美的センスが活かされ、コンセプトを形にする力が求められます。例えば、雑誌やウェブサイトのレイアウトをデザインする際、細部のフォント選びや配色にこだわり、読み手の視線を誘導するデザインを作り上げます。INFJはターゲットの感情に響くビジュアルを追求し、クライアントや編集者とのコミュニケーションを通じて作品を洗練させていきます。

15. NPOプロジェクトマネージャー

非営利活動の計画立案・実行を統括する職務です。責任感が強く、使命感を持って取り組むINFJは、多くの関係者をまとめながらプロジェクトを成功へ導けます。例えば、環境保護活動のプロジェクトマネージャーとして、資金調達、ボランティア管理、広報活動、現地調査など多岐にわたる業務を総合的にコーディネートします。INFJはビジョンを示しつつ、チームメンバーの意見を尊重し、全員が目標にコミットできる組織風土を醸成します。

16. マーケットリサーチャー

市場動向や消費者ニーズを分析し、企業の戦略立案を支援する仕事です。洞察力に優れたINFJは、データの背後にある本質を読み解き、有益な提案ができます。例えば、新製品の市場投入前に、ターゲット層のインタビューやアンケート調査を実施し、定量・定性調査を組み合わせて消費者の深層心理を探ります。INFJは得られたデータを基に、商品コンセプトや販促戦略の方向性を提案し、社内のステークホルダーにわかりやすく説明する能力があります。

17. 図書館司書

利用者に最適な情報を提供し、館内サービスを運営する職種です。静かな環境で資料整理や読書支援を行うINFJは、自分のペースで集中して業務に取り組めます。例えば、来館者のリクエストに応じて図書を選択し、レファレンスサービスを提供する際、INFJは相手の興味やニーズを丁寧にヒアリングし、最適な資料を案内します。また、新しい情報サービスを企画する場合でも、利用者視点を重視してサービス設計ができるため、満足度の高い図書館運営に寄与できます。

18. 社会福祉士

生活困窮者や障害者、高齢者への支援を行う仕事です。人の悩みに真摯に向き合い、解決策を提案するINFJは、福祉の現場で心強いサポート役となります。例えば、介護施設でのケースワーカーとして、入所者の生活状況や健康状態を把握し、適切なサービスプランを個別に作成します。INFJは利用者の家族と連携しながら情報を共有し、関係機関と協力して包括的な支援を提供することで、利用者の生活の質を向上させます。

19. ライフコーチ

クライアントの目標達成をサポートし、自己実現を促す仕事です。自分や他者の価値観を尊重し、深い対話を通じて気づきを与えるINFJに向いています。例えば、キャリアチェンジを考えるクライアントと一緒に、価値観やスキルの棚卸しを行い、ライフプランを具体化します。INFJは質問力と傾聴力を活かし、クライアントの潜在意識にある希望や不安を引き出し、具体的な行動計画を一緒に作成します。その結果、クライアントが自信を持って新たな一歩を踏み出すサポートができます。

20. 団体職員(環境保護・地域振興など)

地域活動や環境保護活動に携わり、社会の課題解決に貢献する仕事です。理念に共鳴し、継続的に支援するINFJは、ミッションドリブンな組織で活躍できます。例えば、地域振興団体で観光資源のブランディングやイベント企画を担当し、地域住民や観光客の意見を取り入れながら持続可能な開発を目指します。INFJは環境保護団体で、森林保全や海洋汚染対策などのプロジェクト運営を行い、社会意識を高めるキャンペーンを企画し、企業や政府との連携を図ることができます。

INFJが職場でうまくやっていくには

感情のセルフマネジメントを行う

自分の感受性が強いことを自覚し、ストレスが高まる場面では深呼吸や短い休憩を挟むなどして感情をリセットする習慣をつけましょう。

また、日報や週報で「今日は何が自分にとってつらかったか」を記録し、客観的に振り返ることで冷静さを保ちやすくなります。具体的には、ストレスを感じた出来事を書き出し、その原因や自分の反応を分析することで、次回同様の状況が発生したときにどのように対処すべきかをイメージしやすくなります。

さらに、マインドフルネス瞑想や軽いストレッチなど、心身をリラックスさせる時間を定期的に設けることで、感情の波をコントロールするスキルが向上します。

意思決定のプロセスを可視化する

決断が遅くなりがちな場合、選択肢や優先順位を紙やツールに整理して可視化すると判断がしやすくなります。例えば「選択肢→メリット・デメリット→期限」を一覧化し、チームメンバーと共有して承認をもらうことで、決断までの時間を短縮できます。

具体的には、デジタルツール(例:TrelloやNotion)を使って意思決定用のボードを作成し、各選択肢をカード化してコメント欄にチームからのフィードバックを集約することで、客観的な視点を取り入れやすくなります。

また、意思決定の際に必要な情報をあらかじめテンプレート化しておくことで、漏れなく検討できるようになり、ミスを減らしながらスピーディに結論を出せます。

時間管理スキルを学び、実行する

日々のタスクを「緊急度」「重要度」に分類し、ToDoリストやタイムブロッキング(時間割)を活用してスケジュールを組み立てましょう。特に締切が迫っている業務はカレンダーに明示的に入力し、アラートを設定しておくと時間管理が容易になります。

例えば、Googleカレンダーで「午前中に○○業務、午後に△△ミーティング」をブロック分けし、それぞれの時間帯に集中することで、作業の切り替えをスムーズに行うことができます。

さらに、毎朝5分程度を使って「今日の3大タスク」を決め、それが完了したら次のタスクに移るというルールを設けることで、優先順位を見失うことなく業務を進められます。

まとめ:INFJの特性を理解して活躍しよう

INFJは繊細な感受性深い洞察力を兼ね備えた希少な性格タイプです。

一方で感情に振り回されやすい決断に時間がかかる単調な作業が苦手といった課題を抱えることがあります。しかし、これらを理解し、自らセルフマネジメントや時間管理の方法を身につけることで、INFJならではの強みを活かし、職場で大きく貢献できます。

自分の性格を深く理解し、適切な環境やスキルを整えていけば、INFJは他者支援や理念追求の分野で真価を発揮できるはずです。

例えば、適切な休息やリフレッシュ方法を取り入れ、定期的に自分を振り返ることで心の安定を保ちましょう。意思決定プロセスの可視化やタスク管理のルールを明確化することで、仕事のスピードと質を向上させることができます。また、適職ジョブマッチングツールを活用して、自分の価値観や適性にマッチした業務を探すことも効果的です。

この記事は日本mbti協会を参考に作られています。
https://www.mbti.or.jp/

淵之上 航平
人材紹介事業部 事業部長
20代・第二新卒特化型転職サービス『よりそい転職』の事業責任者。CA歴7年以上。立ち上げメンバーとしてCA・RA両面の支援実績を持ち、スタートアップからメガベンチャー、大手企業まで幅広く担当。現在もトップコンサルタントとして年間数万人規模のキャリア支援に携わり、求職者と企業双方の成長をサポートしている。
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